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労働新聞 2017年2月15日号・1面

17春闘/「働き方改革春闘」への歪曲許さず、一律大幅賃上げ要求しよう

 「トランプ津波」ー米国の対日収奪政策に従い、アジアの緊張高める安倍政権倒そう

 いよいよ二〇一七春闘がスタートした。三月十二日の集中回答日に向けて、交渉が本格化しようとしている。
 安倍政権は財界に対し、四年連続となる「賃上げ」を要請、さらに「働き方改革」などと称して、「長時間労働是正」「同一労働同一賃金」などと「官製春闘」の演出にやっきである。
 安倍首相は、「全国で『経済の好循環』が生まれている」などと言うが、労働者の所定内給与(実質)は依然として一〇年平均を五〜六%下回ったままだ。
 その一方で、わが国大企業は内部留保を約三百十三兆円まで積み増し、現金・預金額は約百九十九兆円で過去最高を更新している。
 しかし、連合中央・神津指導部は「『底上げ春闘』の流れを継続」(神津会長)などとまるで労働者の生活実感から程遠いスローガンを叫び、一七春闘に臨もうとしている。神津指導部は一三年の政労使合意以来、「経済好循環の実現」などと安倍政権の「アベノミクス」に唱和してきたが、その「アベノミクス」の破たんに引きずられる形で今春闘からは「経済の自律的成長をめざす」と看板を書き換えた。
 そして、一七春闘における要求目安として昨年同様の「二%程度を基準」を掲げている。この低額要求への「言い訳」として「低成長下でデフレ」状況を挙げている。しかし、実質賃金低下の流れが続いている下、加えて生活必需品などの価格上昇、社会保障費の負担増が進む中、昨年と同じような低額要求では貧困化する労働者の生活危機は打開できない。

「働き方改革」は敵の土俵
 また、一七春闘では安倍政権が叫ぶ「働き方改革」への態度も問われる。
 日本経団連は春闘に臨む財界の指針である「経営労働政策特別委員会報告」のなかで、人口減少への危機感をあらわにし、「生産性の向上」に向けた「働き方改革」の必要性を叫んでいる。そして、これにまたも唱和しているのが神津指導部なのだ。連合の「春闘開始宣言集会」のアピールでは「わが国は超少子高齢化・人口減少社会に突入、労働力人口の減少による人手不足に多くの産業・企業が直面…『イノベーション』が労働者の『働き方』の変革を迫っている」との文面が踊っている。日本経団連の「報告」と同じ問題意識だ。
 安倍政権と財界の「働き方改革」なるものは人口減少のなか、残業代をゼロにし、生産性向上へ労働密度を上げて、労働強化を行い、企業の収益を上げるということで労働者への搾取強化である。
 また安倍政権が言う「同一労働同一賃金」も、実態は正社員、非正規区別なく、業績評価制度に基づく能力主義、格差賃金体系を導入するものだ。昨年十二月に「働き方改革実現会議」で「同一労働同一賃金」の先行例として挙げられたのはイトーヨーカドーにおける業績評価制度だ。
 安倍政権と財界、マスコミなどは「働き方改革春闘への転換」などと賃上げ闘争としての春闘を変質させようとしている。こうした敵の土俵に乗った「働き方改革春闘」への歪曲を許してはならない。


押し寄せる「トランプ津波」
 一七春闘は世界史的転換点とも言える情勢下で行われる。製造業を中心にして衰退し、グローバル化の下で格差が拡大し、米国社会が保たなくなったもとで登場したトランプ米新政権が、「米国第一主義」を掲げて通貨、通商政策を転換、移民入国規制などの保護貿易主義を取り始めたからだ。基軸通貨国で、実質国内総生産(GDP)で世界の四分の一を占める米国のこの転換は、世界需要が減退し、経済が収縮しているなかで競争激化をもたらす。ドルに支配されたわが国は、その荒波をもろにかぶる。
 トランプ大統領はわが国との貿易赤字を問題視し、トヨタ自動車を攻撃、米国内での生産拡大を要求している。このトランプ大統領の「つぶやき」に身震いしたトヨタは今後五年間で百億ドル(約一兆千六百億円)の米国内での投資を約束させられた。
 世界的な自動車販売の伸びの鈍化も指摘され、「米国の生産能力を増やせば日本は削らざるを得ない」(トヨタ幹部)との声も上がるなど、「トランプ津波」が押し寄せ始めた。
 二月十一日に行われた日米首脳会談では通商・経済政策では表立った日本批判は出なかった模様だが、「新経済枠組み」の設置でタガをはめられ以降、厳しい対日要求が矢継ぎ早に繰り出されることが予想される。ところが、安倍首相は「日本は米国に新しい雇用を生み出すことができる」などと具体的な協議が始まる前からトランプ大統領の「脅し」に屈した。


安倍政権支える連合・神津指導部への批判強めよ
 安保・外交政策のみならず、かつての日米構造協議のようにわが国の経済主権までも米国に売り渡されれば、そのツケはわが国労働者をはじめとする国民大多数に押し付けられる。
 こうした米国の対日収奪政策、そしてそれにつき従う安倍政権との闘争は不可避である。
 〇八年のリーマン・ショック以降、世界経済は危機打開策を見いだせず、米国のトランプ政権登場で、危機はいっそう深刻化している。「米国第一」を掲げるトランプ政権は全世界に矛盾を押し付け、これまでの「国際協調」は成立せず、動乱、国際紛争はさらに激化するだろう。まさに資本主義の末期症状はエスカレートし、断末魔の叫びを上げている。
 「トランプ津波」で安倍政権はリスクに見舞われ、いよいよ窮地に立っている。先の日米首脳会談で「日米同盟強化」「尖閣諸島の安保適用」を確認し、大はしゃぎの安倍政権だが、足下の経済はますます不安定な状況に突入した。アジアの平和も重大な局面にある。
 こうした状況の下、神津指導部は安倍政権への接近を隠そうとはせず、定期協議の再開を懇願する姿をさらしている。安倍政権の連合分断策に呼応し、政権を支える支柱の役割を果たしている。また、全労連も春闘を共産党の「野党共闘」押し出しに変質させようとしてる。
 連合中央・神津指導部と全労連の闘争放棄を吹き飛ばし、今こそ「一律大幅賃上げ」求め断固闘おう。回答に不満ならストライキを打ち抜こう。国民諸階層の要求を支持し、大きな国民運動を展開しよう。(G)



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