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労働新聞 2017年1月1日号・12〜14面 労働運動

労働運動は国民生活守る先頭に

賃金・労働条件と公正取引を
「闘争の両輪」に

ものづくり産業労働組合・JAM 
宮本礼一会長

 二〇一七春闘が事実上始まった。安倍政権の下で「賃上げ」があおられているが、大多数の労働者にとっては実質賃下げが続いており、大手・中小間をはじめとする各種の格差は依然解決せず、生活は「火の車」だ。今春闘では、経団連など経営側は従来以上に回答を渋っており、断固たる闘い抜きに生活改善は勝ち取れない。政府の「働き方改革」などの課題もある。中小製造業を中心とするJAMの宮本礼一会長に、春闘方針などについて聞いた。(文責・編集部)



――JAMは十二月五日から滋賀県で「二〇一七年春季生活闘争中央討論集会」を開き、「闘争方針大綱」を討議したと聞いています。闘争方針は一月の中央委員会で正式決定するそうですが、「個別賃金要求方式への移行」が打ち出されたと報じられています。一七春闘をどう闘おうとしているか、お聞かせ下さい。

 春闘でベースアップ(ベア)要求をしない状態を脱したのは、一四年からです。ただ、JAMは一九九九年の結成当時から「個別賃金重視」を打ち出していました。
 この方法は、「高卒入社・技能職・三十歳」、あるいは「三十五歳」というモデルケースを設定します。具体的にいえば、「三十歳」は上司の指示がなくてもルーチンワークができる人、自分で段取りをできる人です。「三十五歳」は自分の部下を教えることができ、かつ問題が発生した時に自分で解決できる人、いわゆる課長職のちょっと下ぐらいというモデルです。
 こういうことをイメージして、「三十歳」「三十五歳」での「ポイント賃金」を設定し、それを目標に要求を出してきました。
 そうは言いながら、「ベアゼロ春闘」が一三年まで続いてきました。大手企業の労使が交渉しないのに、JAMの八割以上を占める三百人未満の中小ができるはずもありません。「個別賃金重視」という方針が良くても、結果が出ていなかった。それどころか、賃金制度がない単組では、逆に賃金が下がりました。〇一年と一〇年を比較をすると、所定内給与が平均で七千五百円も下がっています。
 なぜかというと、まず、ベアを要求する春闘をやっていないということです。もう一つは、賃金制度がないところでは「格差是正」といっても、何をもって「格差」なのかが分からない。「個別賃金重視」といいつつ、賃金制度がない単組は、ずっと平均賃上げ要求、いわゆる「上げ幅要求」しかできてこなかったのです。
 JAMは、一四年は四千五百円、一五年は九千円、一六年は六千円という要求を組み立ててきました。ベア要求した結果、若干ではありますが、大手と中小の賃金格差は縮まりました。一方で、賃金制度のある単組とない単組、中小と中小の間で格差が広がってしまいました。要するに、三年間ベア要求がしっかりできたところと、獲得できなかったところ、中小間で開いてしまった。
 こうした現状を分析し、これ以上、格差を広げるわけにはいかないという結論に達しました。大手と中小の間だけでなく、中小の間でもです。
 JAMは約千六百社に単組がありますが、そのうち、賃金制度がないか、以前はあっても運用できていないところが半分を占めます。
 運用できていない単組は、そのほとんどが、〇八年のリーマン・ショック、あるいは一一年の東日本大震災で業績がガタ落ちし、その際に賃金カットされたことが契機になっています。下げられた翌年に、水準を復元した上で要求することができなかった。
 こういった状況を改善するため、「三十歳で二十八万円」「三十五歳で三十二万円」を要求基準目標としつつ、「個別賃金要求元年」ということを掲げました。

――「個別賃金要求」となりますと、単組、とくに賃金制度のない単組に対する中央の強力な支援や指導が必要になると思いますが。

 おっしゃる通りです。単組のなかには、三十歳、三十五歳というモデルケースに相当する年齢の社員がいないところもあります。
 それでも、その年齢に近い人たちいるでしょう。高卒で三十歳はいなくても「二十八歳はいる」とか、三十五歳はいなくても「三十八歳ならいます」とか。そういう近似値をとり、工夫すれば可能です。今まで「個別賃金要求はできません」と言っていた単組でも、指導を進めることで「個別賃金重視」という要求方針にシフトしていくことは可能だと思っています。

――もう一つ、「生み出した価値にふさわしい価格取引実現に向けた環境の整備」という要求も掲げていますね。いわゆる公正取引要求だと思いますが、これについてお聞かせ下さい。

 やはり、自動車・電機などの完成品メーカーを中心とする産別と、JAMの中心であるサプライメーカーを中心とした産別は、置かれている状況が違います。
 サプライメーカーにとっては、生み出した付加価値が本当の意味で評価されているのかどうかという点が重要です。正当な取引で双方に利益が出ることはいいことですが、元請けメーカーはともすると、下請けに対してたたけばたたくほど利益が出ます。上場企業は三百六十兆円以上の内部留保が積み上がっているのに、中小は金融機関からカネも借りられないほど苦しい思いをしています。これでは賃金も払えず、ベアも出せない。ここに何が介在しているのかというと、取引関係がおかしいということになります。下請けが生み出した付加価値が、適正に評価されていないのではないか。
 JAMは、この問題にずっと着目してきました。こんにち、この主張の正しさは、中小企業庁が行ったアンケートの結果からも明らかですし、安倍政権でさえ「公正取引」と言わざるを得ない状況になっています。JAMの主張は正しかったし、社会的気運が高まってきたといえます。
 このことを、今回の春闘にもしっかりと組み込んでいきたい。企業内の労使で交渉する賃金・労働条件と公正取引を「闘争の両輪」として、前面に打ち出す春闘にしたいと考えています。
 具体的には、適正に評価した付加価値で取引条件を決めること、支払手形の期間を短くし可能なら現金で支払うこと、「金曜日に発注、月曜日に納品」のような無茶な要求をしないことなどを、発注側の業界団体に申し入れていきたい。中小企業の経営者が「赤字でもやります」という態度をとれば、労働者にしわ寄せがいくわけですから、そのようなことを行わないよう、要求していきます。

――春闘を闘う上で、工夫していることはありますか。

 今までは春闘ポスターを一種類しかつくっていませんでしたが、一七年は二種類つくります。公正取引のポスターもつくり、チラシもつくります。チラシはJAMの関係組織だけなく、地域の業界団体や経営者団体、商工会などにも行き渡るようにします。
 それと、オルグ団の強化です。
 JAMは全国に百数十人のオルガナイザーがいますが、全員を集め、今回の春闘方針を遂行し、個別賃金要求にシフトしていくために何が必要なのかということで、研修を強化しています。今回の春闘の成否は、単組の努力だけでなく、「オルガナイザーの力如何だ」と言っています。
 ただ、頭脳に対する教育だけではダメで、大事なのは現場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)です。たとえば、合理化問題一つとっても、百社があれば百通りの合理化案件があります。破産でも、民事再生法、破産法、会社更生法と、使う法律によって対応が異なりますし、その前に労働債権を取れているのか、取れないとしたらどういう手続きをしたらいいのか。むしろ、労働者側から裁判所に破産を申し立てた方がいいと思われる案件さえあります。これを机上で教えても、すぐに実になるわけではありません。


地域経済活性化へチャレンジ
――地方経済の疲弊、とくに製造業の海外移転による「地方の空洞化」がいわれて久しい状況があります。これを打開する上で、JAMのお考えをお聞かせ下さい。

 全国には約千七百の基礎自治体があります。その中で「中小企業振興基本条例」のような自治体条例を制定しているのが百七十ぐらい、約一割です。ですが、条例の実体は「理念条例」で、「わが自治体には中小企業がたくさんある。がんばってもらおう」というようなものにすぎません。
 それを一歩進めて、労使代表や自治体当局などが参加するテーブルをつくり、若者の流出防止や工業技能の伝承、中小企業への融資といったようなことを議論できるようにする。そのような要求を出しています。中小企業の団体とも連携し、地域経済を活性化させるという課題です。
 最近は倒産が減ったと言われています。ただ、これから増えるのは「自主廃業」でしょう。JAMの場合でも、経営者が七十歳を越えていることがほとんどで、後継者がいない。そうすると「傷が浅いうちに会社を閉めよう」となります。せっかくいい技術があり、いい従業員もいるのに、経営者だけがやる気をなくしている。そこで、雇用や技術をどう維持していくのか。こういうことも議論する必要があります。
 こうした問題を解決してこそ、われわれも雇用を守れるし、賃金や労働条件の改善が図れると思うからです。


――最後に、安倍政権の進める「働き方改革」について、ご意見をお聞かせ下さい。

 安倍政権が「同一労働同一賃金」などと言わざるを得ないのは、予想以上に「格差」が広がっているということでしょう。正規社員と非正規社員の間だけでなく、地方と東京、現役世代と将来世代など、いろいろな格差が広がり、耐えられなくなってきています。
 それにしても、「働き方改革」で言われていることは、矛盾しているように思います。産業競争力会議が高度プロフェッショナル制度(いわゆる「残業代ゼロ制度」)を打ち出すなど規制緩和を進めようという一方で、「長時間労働を頭打ちにする」とも言っています。つじつまが合わないということは、どちらかがウソということでしょう。


――ありがとうございました。

職場要求受け、24時間スト

臨港バス交通労働組合 小山 国正委員長

 川崎市を中心に路線バスを運行している川崎鶴見臨港バスの労働者でつくる臨港バス交通労働組合(私鉄総連加盟、六百五十人)は昨年十二月四日、始発からの二十四時間ストライキを打ち抜いた。労組は、慢性的な要員不足解消、三六協定を無視した長時間勤務、休暇制限などの是正などを求めている。とりわけ、乗務員に長時間勤務を強いる「中休」(ちゅうきゅう)ダイヤの改正を要求の重点に掲げている。同労組の小山国正委員長に聞いた。(文責・編集部)

長時間拘束勤務の是正求める
 長い拘束時間をもったダイヤ、会社がいちばん儲(もう)かると言われるダイヤである朝ラッシュ、夕ラッシュを中心とするダイヤがあります。その間に「中休」と言っている時間帯があります。朝ラッシュ後、休憩し、その後夕方のラッシュ時に再び乗務して勤務するという形です。ですから、拘束時間は早朝から夜にかけて、十時間以上に及ぶことになります。
 二十〜三十年前は、その時間帯の勤務はだいたい週一回ぐらいだったのです。それが今は多い時には二〜三回も回ってきます。そうすると、ただ単に拘束時間だけが長い、しかもその間は賃金支払い対象になりません。その間、自宅に帰ってもいいし、寝ててもいいということにはなっているのですが、営業者から自宅が近い人はいいけども、そういう人だけとは限りません。ただ拘束されているという状況が続くのはどうかということで、その制度自体を新しいダイヤをつくるに際して、週一回くらいにしようというルールづくりをしようと何年も前から提案してきました。
 とくに力を入れたのは一昨年の秋からで、これまで取り組んできたんですが、会社はこの「中休」の時間帯も「需要がある」と言って、この時間帯の勤務を減らすことは「難しい」ということで対立してきました。
 それに加えて、要員不足の問題がありますから、とにかく長く拘束されるし、早く退勤できる日も、時間外勤務を頼まれたりと、一週間あたりの拘束時間がすごく長くなってしまっている状態を見直そうという申し入れを会社側にしていました。それが「ダメだ」ということで、結果的にストライキに入ったということです。
 定年延長の要求などは一定前進しましたが、われわれはあくまでダイヤの改正を求めていましたから、ぶつかったわけです。

職場要求反映したダイヤを
 六年前の四月に営業所のシステムなどを一括管理したいということで、会社は子会社と統合しました。
 子会社ではわれわれよりも拘束時間も長く、条件も悪い勤務状態でした。それで、「統合したのだから一つの労働条件じゃないか」「ダイヤだってそうじゃないか」と言いつつ、車庫や要員の問題などがあって、なかなか統一できませんでした。その間、「このままやってほしい」ということで六年が過ぎました。そして、ようやく今年に新しい営業所ができる予定になって、車庫不足の問題は解消します。要員不足の問題は残っていますが、一挙にとはいかないまでも、ダイヤ改正を強く求めています。
 このダイヤ改正はただの改正ではなくて、われわれの意向、職場の要求を反映したダイヤでスタートしようというのがわれわれの目的です。この間約一年間協議を続けてきました。一六秋闘は「職場点検闘争」と位置付けていたので、この時期をずらしてストをできればよかったのですが、ここに至って、秋のストライキとなったわけです。

職場の仲間は大変だ
 全国的にバス事業者は要員不足に悩まされています。当然、事業規模が大きいところやネームバリューがあるバス会社に希望者は集中しがちです。バス会社は希望者の奪い合いをやっています。
 われわれの会社にも希望者が来ますが、スムーズな体制を取れるほどではありません。
 その問題を考えると、やはり魅力ある会社になる必要があります。その「魅力」というのは賃金であり、手当などの労働条件です。ダイヤだってその一つです。以前、別のバス会社に在籍していた人が次の会社を選ぶ際に何を基準にするかというと、賃金もさることながらダイヤもそうなんです。
 今回の要求はとくに職場からの声が大きかったですね。要員不足が解消されず、総合的なダイヤ改正がされないまま時間が過ぎていくなかで、要員不足で休暇取得も制限されてしまうなど、現場の組合員はかなり限界を感じています。そういう怒りが出た形ですね。やむにやまれずに打ったストです。
 職場の仲間は本当に大変なんですよ。まだ結婚して、子どもが小さいうちに夜遅くまで拘束され、寝顔しか見られないというのはかわいそうですよね。「こういう職種だから」と割り切るわけにはいかないでしょう。週に一、二度は早く帰宅できたり、休日はゆっくりできるようにしないとダメですよ。結局、最後は人です。
 実際にストライキを経験した組合員がいないなかでも、近隣でストを経験した組合があるので、そこからの応援も得ながら、なんとか乗り切ることができました。実際に支援にも入ってくれました。
 組合のフェイスブック・ページなどを通じて、激励の声も結構いただきました。近隣の私鉄労組や、神奈川交運労協の仲間がスト直前の集会に多く参加してくれ、大いに励みになりました。
 今回のストは「東京新聞」など一般紙でも取り上げられ、反響は大きかったですね。比較的、われわれの主張を取り上げてくれたので、「ストはけしからん」という反応は少なかったです。
 再交渉も行っていて、手応えも感じている。せっかく、ストで闘ったのだから、その勢いでもって、キッチリと交渉に臨んでいきたいと思います。


フジビ闘争/不当判決跳ね除け、大衆に闘いの意義伝える

 二〇一二年九月の偽装倒産・全員解雇から始まったフジビ闘争は五年目に突入した。昨一年も一カ月にわたる社前座り込み行動などを展開、支援共闘会議を軸とした団体署名活動の広がりなどに示されるように連帯と支援は確実に広がっている。本紙では当該である全労協全国一般東京労組フジビグループ分会の分会長の小金井俊弥さん、分会書記長の中原純子さん、分会員の関幸三さんからそれぞれ昨一年を中心とした闘いや勝利解決に向けた決意などについて聞いた。(文責・編集部)

現場で闘うことに大きな意義/分会長・小金井俊弥さん

 昨年は、東京高裁が二月に下されたいわゆる「スラップ訴訟」判決に振り回された感もありました。あくまで会社側が起こしてきた裁判で、こちらは被告という受け身の立場でしたが、その立場をどう逆転していくかが問われました。
 そのため、団体署名への協力要請などいろいろ取り組んだ一年でした。
 十月には一カ月の社前座り込み行動を行い、「絶対に屈しない」という姿勢を会社に示しました。始める前は「どうなることか」と心配しましたが、予想以上に多くの支援者が駆けつけてくれ、大成功したと思います。最高裁に向けた団体署名も千筆以上集まり、北海道から沖縄まで全国に支援・連帯が広がったことを実感しました。
 もう一つ、昨年末、都労連の一六確定闘争の第六波決起集会がありましたが、前段の東水労の集会で連帯あいさつをさせていただきました。東水労の組合員が「少ないですけど」と、その場で千円をカンパしてくれたんです。
 こうした取り組みを通じて、会社側との力関係で大きく押し返すことができたという思いです。
 このスラップ訴訟の裁判で感じることですが、「この裁判が確定したら労働組合は何もできなくなる」と言う人もいます。そうした危機感は分かるのですが、決して何もできなくなるわけではないんですね。「何もできなくなる」という、いわば「風評被害」です。
 この裁判で何がいちばん問題なのかといえば、その「風評被害」によって労働運動にブレーキがかかり、沈滞化してしまうということです。そういう意味でも、訴えられている私たちがひるむことなく、現場の闘争を中心に闘うということが非常に大きな意義をもっているのではないかと思います。
 とにかく今年も現場で闘うということ、それが肝心だと思います。がんばります!
 一昨年の十一月から十二月、東京都労働委員会が出した和解案に対して、私たちが大幅に譲歩したにも関わらず、決裂しました。そのため一昨年は、とてもしんどいなかで年を越した記憶があります。昨年も、十二月二十六日に東京地裁労働部で五度目の和解が決裂して年を越しましたが、連続座り込みで追い込んでいる実感があり、気分は昨年と大違いです。


企業に有利な政治を変えたい/書記長・中原純子さん

 一昨年二月にはフジビが東京地裁に提訴したスラップ訴訟の不当判決が言い渡され、それから団体署名に取り組み、七月には高裁が不当判決を出しました。高裁判決の中身は地裁判決より悪く、地裁判決の三百五十万円という賠償金に加え、地裁判決でさえ問題にしていなかった株主、背景資本、銀行に対する組合の要請行動に対して「とんでもない」という趣旨を付け加えました。
 その高裁判決を待っていたかのように、七月には東京都労働委員会が不当命令を出しました。
 そもそも私たちは、企業経営者が賃金や退職金などを支払うことから逃れられるという、破産法を悪用した東京地裁の「破産手続開始決定」で解雇されたわけです。法律、裁判とは何かということを、この四年間は考えさせられました。
 社長に怒りの声をぶつけたくても、「自宅から半径二百メートル以内は立入禁止」という仮処分により、司法が逃亡した社長を守ったわけです。「悪法も法なり」ともいいますが、こうした悪法にどうしたらいいのかという思いです。
 分会長がよく言うんですが、名もない富士美術印刷(フジビ)の名前が今や全国に知られるようになりました。韓国・民主労総の韓国サンケン分会とも互いに支援し合っています。
 不当判決以降、私たちへの支援に結集する人が増えています。社前行動もだんだん増えていて、今は百人を下回ったことはない。社前座り込みのときには、のべ五百人も集まりました。
 この闘いは、毎日準備することも大変だったのですが、闘いを通じて、参加者との一体感、連帯感が生まていると実感しています。
 支援共闘会議も活発に活動していて、全労協加盟労組はもちろん、地区の部落解放同盟や連合加盟の単組も加わっています。 参加する他労組からは、民間委託が進む公務職場の問題や、要員不足で大変なJRの職場実態などを聞くこともあり、これまで知らなかった経験をしています。
 争議は四年を過ぎ、重要な局面を迎えています。確かに厳しい現状ですが、裁判所とか労働委員会、そして労働運動の現状をあぶりだした意義はあると思っています。
 フジビ経営者がこんな理不尽なことが続けられるのも、企業に有利な政治の力があるからです。労働運動にとって、こんな政治を変えていくことも重要だということを強く押し出したいですね。


反撃する労働者の力みせつけたい/副分会長・関幸三さん

 昨年十月の座り込みは、私は「支援はせいぜい十人ぐらいかな」と思っていました。ところが連日、たくさんの人が支援に訪れ、非常に励まされました。
 闘いを始めて約四年、ちょっと中だるみ的なことも感じていましたが、多くの人たちが支援に来てくれたことで大いに刺激になり、もう一度この闘いについて決意を固め直しました。
 十一月には、福岡県で開催された日本労働弁護団の総会に参加し、フジビ闘争について報告しました。総会では急きょ、「最高裁は口頭弁論を開いて不当判決を糾(ただ)すべき」との決議が採択されました。
 スラップ訴訟は私たちに対するものだけでなく、全国で乱発されています。結局、労働組合の組織率が低下して労働運動全体の力が弱まり、労使の力関係が崩れたことを示しています。それが経営側を強気にさせ、労働者に対する弾圧が強まっていると思います。
 フジビ闘争が勝利することで、こうした傾向を打ち破ることに貢献できればと思います。
 私たちの闘いは、公然と旗を出して路上に出、あくまで現場で闘うことが大きなウエイトを占めています。大衆に訴えることによって、労働運動が大きな力なり得るということをアピールできるのではという思いを強くしています。
 四年という時間がそうさせたのかもしれませんが、私たちが座り込みをしていると、地域の人たちがけっこう声をかけたりしてくれます。「自分はかつて二カ月のストライキを闘った」という人がいたり、「自分の息子もクビになった。がんばってほしい」という声も結構かかりました。地域で闘っているから、そういう反応が出てくると感じますね。
 当初から地域の応援に支えられてきましたが、時間が経つにつれて支援する声が多くなり、「がんばってください」と声をもらうと、私たちも実感としてやりがいがあると感じますね。
 いまは、司法の場での争いになっていますが、多くの人たちが支援してくれてありがたいし、反撃する労働者の力を見せつけたい。そして、同じようなことをこの地域で起こさせないということで、必ず勝利につながる年にできればと思っています。


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