20020205

大分 市長の横暴で競馬場廃止  地域共闘広がる

補償獲得へ闘い続ける

労働組合大分ふれあいユニオン 岩崎 衛 書記長に聞く


 中津競馬管理者である、鈴木一郎市長が昨年2月、6月をもって中津競馬を廃止すると発表した。
 これによって、競馬に従事する146人の労働者が解雇されることとなり、官舎からの立ち退きを求められる家族をあわせて、約500人の生活の道が絶たれてしまった。

署名で全有権者の3分の2以上を達成
 これに対し、厩務員を中心に「厩務員労働組合」を結成、その後、騎手・調教師や関係団体・業者と「中津競馬の存続を求める協議会」を結成、闘いに立ち上がった。
 本来、競馬場存続を求め続けたいところだが、競馬組合は4月、中継する映像業者が見つからないことを理由に、開催中止を強行、事実上、6月を待たずに、競馬場が廃止されることが決定された。この結果、補償を求める闘いへと方向転換せざるを得なくなった。当該労組は地域労組「ふれあいユニオン」に加盟、支援も広がった。
 組合は、市と競馬組合に対し、(1)競馬関係者全員に補償金(功労金・退職金)6億円を支払うこと(2)中止された6月以降、問題解決に至るまでの間の生活補償などの要求を掲げて交渉を要請した。
 しかし、市・競馬組合とも、交渉自身を拒否し続けた。市長は、「雇用関係がなく労使関係がないので交渉には応じない」「法的根拠がないので補償金は支払えない」という、まったく無責任な対応であった。
 一方、市は広報やマスコミを通じて、財政赤字の大きさなど「廃止の必要性」をキャンペーン、市民の世論形成をはかろうとした。
 組合は市側の情報操作に対して、市内全域での街頭宣伝や100枚のタテ看板設置、署名活動を展開、厩舎関係者の生活実態や、市・競馬組合のひどい対応などについて市民に訴えた。とくに署名は、組合員と家族総出で、市内の全家庭にローラー作戦を展開、一軒一軒チラシを配りながらお願いして回った。
 こうして、「市長のやり方はあまりにもひどい」という世論が広がった。正当な解決を求める署名は中津市内だけで2万6807人分と、全有権者の3分の2以上を達成、団体署名も81にのぼった。
 地域を重視した運動の結果、6月市議会では全会一致で「廃止にともなう補償を求める請願書」が採択された。市長の強引な手法に対して、議会与党も割れている。
 こうした中、7月に中津競馬議会(市長、県議、市議らで構成)が開催され、「市と競馬組合は協力見舞金(補償金)を支給すること。問題解決に向けて市・競馬組合は誠意をもって対応する」との意見書が確認され、補償金についての交渉が進むこととなった。市は補償金額を提示してきたが、その額は1億円程度とわずかなもので、要求にはほど遠い。
 12月末には、県平和運動センターとふれあいユニオンが主催して、調教師ら競馬関係者を支援する「もちつき集会」が行われた。これには250人が参加して、「団結して年を越そう」と意思一致できた。

赤字の責任転嫁を許さない
 今後だが、提示された補償金はあまりに少額であり、長期戦を覚悟せざるを得ない。連合大分が就職あっせん支援も行っているが、雇用保険がない人もいて、現金カンパで生活面の対策をやっている。これは、これからの最重要課題だ。地区での共闘も強め、座り込みやハンガーストライキを考えている。
 それにしても、労働組合も地域の支援もない中で闘いを始めた労働者は、まさに不安と隣り合わせであったろう。交渉するところまでこれたのは、何より労働者と家族の闘いがあったればこそだ。
 地方競馬はどこも厳しい状況にある。昨年10月には、新潟競馬が廃止を表明した。地方財政の悪化を理由に合理化が進められているが、赤字は競馬場労働者の責任ではない。われわれも最後まで闘い抜きたい。

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