20010615

公務員制度改革 自治労県本部の声
公務サービス解体が狙い

力関係変える運動を

自治労宮崎県本部 溝口 究書記長に聞く


 公務員制度改革の原案が、間もなくまとめられる。これは、小泉改革とも関連するもので、地方自治体で働く者の組合である自治労つぶしの攻撃である。攻撃の本質を見抜き、民間労組とも団結を強め、闘う方針の確立が求められている。自治労宮崎県本部の溝口究書記長に聞いた。

 公務員制度改革とは、公務と民間のしきりをなくそうとするものだ。公務員を企画調整など一部の仕事だけに閉じこめて、ほとんどの仕事を民間でできるようにしようとする。つまり公務サービスを解体していこうとしている。そして、われわれの労働組合である自治労をつぶそうとするものだ。
 小泉改革は、犠牲を国民と地方に押しつけようとしている。地方自治体を自立させるという。その上で、地方自治体も課税してもよいなどともいっている。構造改革と公務員制度改革はからみあっているだろう。
 そして、狙いは結局公務つぶしである。それは民主党がいう「官は民の補完に徹すべき」とし、民でやれることはすべてに民に移行せよということとも合致する。
 だからこそ、公務サービスのあり方が問われているし、われわれ自治労運動も問われている。つまり、公共サービスとしての公務員の役割をきちんと押さえ、アピールしないと、「公務員でなくてもよい」となってしまう。
 例えば介護保険にしても、本来は福祉として公務で行うべきものが、民間がどんどん参入し、福祉を食い物にしている。本来福祉は、国民の生存権を保障するものだが、介護保険では金次第になっている。公務員制度改革とは、このような方向である。

当局に都合のよい人事評価
 公務員の身分保障問題だが、政府は「信賞必罰」という方針で、これまでも公務員であっても、悪いことをすれば処分されている。
 公務員の身分保障とは、公平で公正なサービスを保証するものとしてある。例えば、首長が代わって、行政がおかしくなれば、おかしいと言えるようにしたものだ。そうやって、公務サービスを継続させるために簡単に首にさせないのである。
 また、「信賞必罰」なら職員がやる気を出すというものでもない。仕事については、誰もが意欲を感じて就職している。仕事の中で十分に職員の能力を発揮できていないのは、当局の責任だろう。
 「仕事ができない人がいる」という人もいる。しかし、それは意欲を失うような職場配置であったり、研修が不十分だったりした結果である。給料が同じだから、やる気をなくすというものではない。公務サービスの目的は、住民の福祉、生活の向上である。職員は、そこに仕事の意義を見いだして公務員になった。
 そして、人事評価制度だが、誰が評価するのか。それは当局が評価するシステムだから、当局の都合のよい評価しか出てこないだろう。本当に正しい評価というなら、市政全体の評価を市民がして、その上で市の職員の仕事を評価するようなシステムが必要だが、これは到底できない。だから、当局の都合のよい人事評価制度には反対だ。
 また、身体障害者を自治体で採用しているが、人事評価制度でどう評価するのか。実績、効率だけで評価すれば差別的なものになるだろう。しかもこれは公務員だけでなく、実績主義なら民間でも同じ問題が発生するだろう。弱者は生きていくなということになってしまう。
 だから、組合の議論ももっと慎重にやるべきだ。組合員には自分を評価されたいという人がいるから賛成、では話にならない。問題の背景である資本の狙いなどをきちんと議論すべきだ。

力蓄え他労組とも連携
 現在の運動は、攻撃に対して、できるだけ「よりまし」にしようとしている。それは、力関係ではあり得ることだが、それだけになっている状況がある。
 力関係を変えなくては、これからも闘えない。やはり主体的力量を高める運動をしないとだめだ。それは、今回を乗り切ればよいということではなく、組合の力量を高めていかないとだめだ。
 そのために組合員のエネルギーを蓄えるような取り組みが必要だ。今回の攻撃にしても、その背景をつかむ学習会を行うなども大事だ。そこで県本部としてパンフレットをつくって、全単組での学習会を始めている。
 宮崎の特殊性だが、連合の官公部会連絡会がなかった。これまでは公務員共闘でやってきた。だが、今回は連合宮崎にもち込み、初めて公務員労組の会議を開いた。
 組合員のエネルギーを蓄える運動を行いながら、横の連携を強めることも行っている。こうやって闘いながら、連合宮崎の官公部会のようなものをつくっていきたい。

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