20010425

フィリピン・トヨタ 自動車労働者がセミナー
解雇攻撃にストで反撃
トヨタは紛争解決をはかれ

国産連帯で闘い発展を


 日産の武蔵村山工場、日産車体京都工場が事実上閉鎖された。また、三菱自動車も愛知県の工場閉鎖がすでに発表されるなど、自動車会社のリストラの嵐が吹き荒れている。そして、世界的規模での再編も進んでいる。こうした中、自動車工場に働く労働者たちが、国際連帯を求め、セミナー開催やフィリピン・トヨタの解雇攻撃に反対する闘いを開始した。

 自動車産別連絡会議とアジア太平洋労働者連帯会議(APWSL)日本委員会は四月二十一日、セミナー「連帯と希望は国境を越える 自動車産業のグローバル化とアジアの労働者」を開催した。このセミナーには、全造船関東地協、中小労組政策ネットワークやカトリック労働者運動神奈川地区などが協賛し、約百人の自動車労働者らが参加した。
 主催者団体からは、「国際貿易機関(WTO)に反対するシアトルでの闘いや米国の国際宅配便会社(UPS)の闘いなどに学び、労働者のネットワークをつくり上げる必要性を痛感している」とセミナー開催の目的などが報告された。
 続けて「日本の自動車産業は、国内生産は約一千万台で、海外生産は約五百万台になっている。国際競争力の強化のためにと、日産座間工場閉鎖などリストラ合理化が行われた。そして、日産がルノーの支配下に入ったが、三菱がダイムラークライスラーの傘下に、いすゞがGMという具合に、再編は世界的規模で進んでいる。そのグローバルな企業間競争は、労働者にいっそうの犠牲を強いているが、国境を越えた労働者の連帯を可能にしている。このセミナーがそうした一助になることを希望する」と述べた。
 最初にラジャ・ラシア氏(マレーシア国立大学教授)が「マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの四カ国では、日本など外国企業が産業を支配している。さらに経済自由化の波で、いっそう外国企業が有利になっている。だが、中国がWTOに加盟すれば、自動車メーカーは中国でさらに生産を拡大し、四カ国ではリストラ攻撃が予想される」と述べた。
 サイード・シャヒル氏(マレーシア全国運輸機械関連産業労組書記長)は「どの自動車産業でも政府の支援のもとで、低賃金労働者を求め世界を移動している。そのため労働者には、労働条件が下に向かった競争を強いられている。そこで、どうしても労働者の国際連帯が重要になっている。そこで日本の労組は、そこの企業のグローバル戦略に注意を払い、東南アジアの労組と協力することで、労働条件の引き下げなどの現状を変えることが可能になる。アジアの自動車労組との討論、情報交換などを強め、多国籍化した大企業に対抗する戦略をつくりだそう」と訴えた。
 日産労働者から「ルノー・日産による『リバイバルプラン』との闘い」と題した講演が行われた。「日産の三月決算は連結利益約二千五百億円となり、前年の赤字六千八百八十億円からV字型に回復をしたが、そこには労働者と関連下請けなどの膨大な犠牲がある。日産村山工場では、約三千人の労働者の内五百人以上が自らの意思に反して退職を余儀なくされた。これから三つの組立工場を閉鎖すると、労働者は毎日の残業と毎月三回の休日出勤を強制され、労基法を無視して年間四百四十時間も残業しなくてはならなくなる。これほどに労働者に犠牲を強いるものである」と報告した。

フィリピン・トヨタ労組
組合つぶしにストで反撃

 エド・クベロ氏(トヨタ自動車・フィリピン労働者組合委員長)がフィリピン・トヨタの労組つぶしとストライキの報告を行った。
 氏は「トヨタは一九八八年にフィリピンに進出し、二つの工場をもっている。われわれは労組をつくるのに十年の歳月を要した。いくたびかの挫折をへながら九七年に組織化を再開し、二〇〇〇年三月に組合承認選挙に勝利した。われわれは会社に団体交渉を求めているが、会社は無視し続けている。そこで二〇〇一年二月に労働省による聴聞会があり、会社の許可を得て組合員四百人が参加した。ところが、会社は三月十六日に二百九十人一を指名解雇した。解雇者のほとんどが組合員であり、明らかな組合つぶしである。そこで、三月二十八日から無期限ストライキに入り、生産を止めた。しかし、トヨタや争議を抱える日系企業十一社は、フィリピン政府に『ストをやめさせなければ、フィリピンから撤退する』とおどしをかけ、四月十日、警察部隊を導入しピケ破りを行った」と述べた。
 続いて「われわれは組合員への解雇撤回を求める。そして政府への圧力などを直ちに中止することとトヨタの謝罪を要求する。われわれの闘いは当たり前の要求に過ぎない。国際金属労協(IMF)にも支援要請を行い、協力約束を得ている。多くの支援をお願いする」と訴え、参加した労働者は拍手で激励したた。


参加した自動車労働者より
新たな運動の広がりを確信

 自動車産別連絡会議とアジア太平洋労働者連帯会議の共催によるセミナーに参加した。
 この集いは、多国籍企業のアジアへの工場進出が本格化し、資本と労働との矛盾がますます激しくなり、各地で労働者が自発的な闘いを始める情勢の中で、共に闘う自動車工場労働者が国境を越えて連帯する運動を構築するために企画されたもので、マレーシア、フィリピンの労働者、日本の日産、三菱、トヨタ、いすゞなどで働く多くの自動車工場労働者が参加した。
 一日目にはマレーシア国立大学教授、マレーシア運輸労組書記長、フィリピントヨタ労組委員長、日産労働者の報告があった。とりわけ、フィリピントヨタの報告は労働組合結成をかち取りながら、会社がさまざまな組合つぶし攻撃をかけ、これに対しストライキで対抗する労働者の闘いを生々しく報告したので、私も含めて参加者は体を乗り出して聞き入った。
 二日目は、フィリピントヨタ労組への具体的支援のための会議があり、二十三日に百五十人以上を動員してトヨタ自動車東京本社への抗議及び要請行動が行われることが確認された。さらに、本拠地愛知県豊田市でも運動を始めること、国際金属労協(IMF)など国際組織への支援要請を行うことなどが確認された。
 また、インドネシア、タイ、台湾、オーストラリアなどアジア太平洋の自動車労働者連帯組織の結成に向けての準備を進めることも議論され、新たな運動の広がりが展望できる集いになった。