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労働新聞 2017年4月25日号 トピックス

世界のできごと

(3月30日〜4月19日)

米中首脳会談、あらためて隔たり
 トランプ米政権発足後、初となる習近平国家主席との米中首脳会談が四月六日、フロリダ州で行われた。両首脳は、米国の対中貿易赤字の縮小に向けた「百日計画」の策定で合意、焦点となっていた朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の核・ミサイル開発への対処でも協力することで一致した。大統領は、中国による東シナ海、南シナ海への海洋進出をけん制、単独行動も辞さない姿勢を示すことで、朝鮮への圧力強化を迫った。習主席は在韓米軍への終末高高度ミサイル防衛(THAAD)システム配備に反対する立場をあらためて表明した。経済・通商問題では一定の合意が成ったものの、朝鮮半島や中国の海洋進出問題では立場の隔たりがあらためて示されるなど、米中関係は依然波乱含みである。

強まる米国の朝鮮圧迫
 朝鮮が五日に日本海に弾道ミサイルを発射したことを口実に、米トランプ政権は朝鮮圧迫策動を強めている。原子力空母カール・ビンソン率いる艦隊を朝鮮周辺海域に一カ月とどまらせることや、次世代型迎撃ミサイルの発射実験を行うことを表明した。また、十三日に米軍はアフガニスタンに大規模爆風爆弾(MOAB)を投下、朝鮮への心理的圧力も強化した。ティラーソン米国務長官は十九日、テロ支援国家への再指定に言及した。訪韓したペンス副大統領は「同盟国や中国とともに経済・外交両面で圧力をかけ続ける」と叫び、「すべての選択肢がテーブルにある」などと軍事行動の可能性も示唆(しさ)。一方、米国は中国による朝鮮への圧力強化を期待し、中国への「為替操作国」認定を見送るなど、硬軟交えて中国への圧力も強めている。

国家主権侵す米のシリア空爆
 米軍は六日、内戦が続くシリアの空軍基地に巡航ミサイル「トマホーク」五十九発を発射、軍事介入を行った。トランプ大統領は、アサド政権が化学兵器を使用したと決め付け、蛮行に及んだ。ロシアは「主権国家へ侵略」と厳しく非難、イランなどからも反発の声が上がっている。国連安全保障理事会は七日、ロシアが「国際法違反であり、侵略行為」と米国を厳しく批判、中国も「軍事行動は状況を混乱させる」と主張、米側は攻撃を居直るなど激しいやりとりが交わされた。十二日には、シリア批判の決議案がロシアの拒否権で否決された。米国はシリアに対する追加の経済制裁とともに、再び軍事行動を行う可能性も示唆するなど、トランプ政権の危険な姿勢があらわとなった。


米ロ会談、関係悪化鮮明に
 ティラーソン米国務長官は十二日、ロシアを訪問、プーチン大統領、ラブロフ外相との会談を行った。シリア問題をめぐり、ロシア側は「シリアに対する主権侵害」と批判した。ティラーソン国務長官は「両国関係の信頼は低水準にある」と発言した。またトランプ大統領も「米ロ関係は最悪」と述べた。対朝鮮政策をめぐっても、ロシアは国連安保理の朝鮮非難決議に反対するなど、米国のシリア空爆をきっかけとした米ロ関係の悪化が影響を広げている。

米、イラン「核合意」見直し示唆
 ティラーソン米国務長官は十八日、オバマ前政権がイランの核開発縮小と引き換えに経済制裁を解除するとした「イラン核合意」の再検討を進めていることを明らかにした。トランプ大統領はこれまで「イランに寛容すぎる」とその見直しを主張してきた。「イランは核合意を順守している」(ティラーソン国務長官)と言いながらも、核合意見直しを言明する米国の姿勢にイランは反発を強め、核開発の再開に踏み切る姿勢も示している。

英、EU離脱加速化へ総選挙
 英国のメイ首相は十八日、欧州連合(EU)からの脱退交渉に反対する労働党など野党を批判、六月に総選挙を実施することで離脱加速化を進めることを表明した。今後続く離脱交渉に向け、政権基盤を強化する狙い。メイ首相はEU単一市場からも離脱する強硬離脱(ハードブレグジット)を進める方針を示している。野党の支持率が低迷するなか、与党・保守党の勝利を見込んでの発表だが、与党が後退・敗北すれば離脱交渉そのものの先行きも不透明になるなど、いっそうの混乱も予想される。


トルコ、大統領権限強化へ
 トルコの大統領権限の強化・拡大を盛り込んだ憲法改正の是非を問う国民投票が十六日行われ、賛成五一・四一%、反対四八・五九%の僅差で可決された。これにより、議員内閣制から大統領制に移行する。エルドアン大統領はこれまでも反対派の粛正などを進めてきたが、その姿勢を強めることは確実。同国は〇四年にEU加盟条件となる死刑制度の完全廃止を実現したが、大統領は制度復活を示唆、EUとの加盟交渉の中断も辞さない構えだ。翌日には昨年七月のクーデター未遂事件を口実に発令した「非常事態宣言」の延長を閣議決定した。また、シリアに対する軍事介入を拡大させる可能性も増し、周辺への影響も不可避だ。

人民のたたかい

(3月30日〜4月19日)


  韓国ソウルで十三日、大型建設機械を操縦する労働者約一万人が国会前でストライキ闘争決意大会を開いた。全国でストライキを断行した労働者は「労働基本権」争奪のために全国からソウルに集まった。
 米国ワシントンで十六日、トランプ政権がアフガニスタンで大規模爆風爆弾を投下したことに抗議する集会が開かれた。
 米国各地で十五日、税金申告期限に合わせ、トランプ米大統領に納税記録の公表を求めるデモが行われた。トランプ氏は、大統領選の最中から納税額を公表してこなかった。
 チリのサンティアゴで十一日、大学授業料の完全無償化を求める学生らが激しいデモを行った。警察に対し、学生らは投石などで応戦した。
 アルゼンチンで六日、マクリ大統領就任後初のゼネストが行われた。ンフレ率(四〇%)と同等の賃上げ、失業対策を求め、公共交通機関の運行が停止した。
 フランス・パリで有名ブランド「ルイ・ヴィトン」のアトリエで働く職人たちが五日、賃金アップを求めデモを起こした。労働者は「好業績に基づく利益のさらなる分配を」と訴えた。
 仏領ギアナで四日、賃上げや治安の改善を求めてデモとストライキを行っている労働者約三十人がクールー宇宙センターを占拠した。仏領ギアナではデモにより十日間にわたって経済活動がマヒしている。

日本のできごと

(3月30日〜4月19日)

日米経済対話が初会合
 麻生副総理・財務相とペンス米副大統領はは四月十八日、日米経済対話の初会合を開いた。両者は、貿易・投資ルール、経済財政・構造政策。個別分野の三分野を取り扱うことで合意した。米国側の閣僚人事が決まらず、また朝鮮半島情勢の緊張の影響から、米側は具体的要求を避けた。それでも、副大統領が将来的な日米自由貿易協定(FTA)締結に意欲を見せたように、二国間交渉で要求実現を狙うトランプ政権の態度は明らか。「農業分野では、日本が第一の標的」(ライトハイザー通商代表部=USTR代表候補)というように、環太平洋経済連携協定(TPP)以上の譲歩を迫られ、国民経済・国民生活が多大な被害を受けることは必至だ。

日米会談、朝鮮への「圧力」で一致
 安倍首相と来日したペンス米副大統領は十八日、会談を行った。緊迫する朝鮮半島情勢に関しては、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)を「新たな段階の脅威」と決めつけ、軍事攻撃と「平和的解決」という「硬軟両様」の方針を確認、中国による圧力強化に「期待」を示した。副大統領は「核やミサイル計画をやめるまで」圧力をかけるとも述べた。安倍政権は米国を支えて矢面に立つ態度で、根拠のない朝鮮による「サリン弾頭」保有や「在韓邦人の保護」のための自衛隊派遣にまで言及している。米国による軍事的圧迫に加担することは、亡国の道だ。

米国の「復帰」期待しTPP11
 石原経済再生担当相と来日したオーストラリアのチオボー貿易・投資相は十八日、環太平洋経済連携協定(TPP)について、「(離脱した米国を除く)十一カ国で方向性を打ち出す」ことで合意した。五月下旬にベトナムで行われる閣僚会合で、方向性を議論する予定。安倍政権は米国の「復帰」に期待を寄せつつ、おずおずとだが、貿易・投資での主導権確保をもくろんでいる。だが、参加国の間には、「中国の加盟」を主張する声も強く、すでに漂流するTPPの方向性を定められるかどうかは不透明だ。

共謀罪審議で「法相隠し」
 「共謀罪」法案の審議が十九日、衆議院法務委員会で始まった。与党は、野党の合意のないまま、政府参考人として林刑事局長の出席を議決した。これは、審議を「法案提出後」にするよう求める「メモ」を提出するなど、答弁不能に陥っている金田法相では審議が乗り切れないと認めたようなもの。同日の審議では、林刑事局長が、捜査当局から見た「計画者たち」の内心で犯罪が確定されることを認めた。思想に対する治安法にほかならない共謀罪は、廃案以外にない。

熊本地震から1年、復興遅く
 熊本地震の前震から、十四日で一年が経過した。本震災では、関連を含めて二百二十八人が死亡、今なお四万七千七百二十五人が仮設住宅での生活を強いられている。一方、災害公営住宅の整備予定数が全県で一千七十二戸にとどまる。家賃高騰のため仮住まいから抜け出せなかったり、損壊した自宅で暮らす被災者は多く、三月末には、応急仮設住宅で孤独死した男性が発見された。住民の苦難をよそに県道四車線化などは進められており、住民大多数のための復興を急ぐべきだ。

学術会議、軍事研究反対を報告
 日本学術会議は十四日、総会を開き、科学者は軍事的な研究を行わないとする声明を正式報告した。声明は、軍事研究を禁じた過去の声明を「継承する」と明記し、防衛省が二〇一五年度に創設した「安全保障技術研究推進制度」は「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」とした。三月の幹事会での決定が報告されたもので、法的拘束力はないが、長崎大学、新潟大などでは同制度への「応募自粛」などが決まっている。学問を対米従属下の軍事大国化に動員しようとする安倍政権には打撃となった。


4月から相次ぐ負担増
 政府による社会保障制度改悪で、一日からさまざまな負担増が実施された。国民年金保険料が二百三十円上がり月一万六千四百九十円となる一方、給付額は「物価下落」を理由に引き下げられる。医療では、後期高齢者医療制度での保険料軽減特例が見直され、元被扶養者や一定の年収がある人の保険料が増える。民間でも電気・ガス料金が軒並み引き上げられ、生命保険各社の保険料も上がる。春闘でのわずかな「賃上げ」はたちまち吹き飛ばされ、国民生活は苦しくなるばかりだ。

人口の東京集中進む
 総務省は十四日、一六年十月一日現在の人口推計を発表した。総人口は前年比で十六万二千人少ない一億二千六百九十三万三千人で六年連続で減少した。死亡者数から出生数を引いた「自然減」は十年続き、統計開始後最多の二十九万六千人。都道府県別では、人口が増えたのは東京、沖縄、愛知など七都県で、東京の増加率が四年連続トップと、一極集中はさらに進んだ。また、大阪市は増加したものの府全体では減少、都道府県の中でも格差が広がった。地方の衰退が加速していることのあらわれで、政治の責任だ。

連合東京、小池知事と連携決める
 連合東京(岡田啓会長)と小池都知事による「都民ファーストの会」が、七月の東京都議選に向けて政策合意を結んだことが、四日、明らかになった。連合は、民進党に加え、「都民ファースト」の一部候補を支援する。離党者が相次ぐ民進党には大打撃。小池知事は、メーデー中央大会にも出席する方向。連合東京幹部は「知事の労働政策は我々の主張と大きな違いはない」などとするが、「国際金融都市」を掲げる知事とどこが一致するのか明らかにしておらず、支配層へのさらなるすり寄りにほかなからない。


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