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労働新聞 2017年4月5日号 トピックス

世界のできごと

(3月20日〜3月29日)

オバマケア修正撤回、早くも困難
 トランプ米大統領は三月二十四日、医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を撤回した。共和党内「右派」は法律の完全撤廃、「左派」は一部修正を求めて「造反」、下院での採決見通しが立たず、断念に追い込まれたもの。共和党は分裂状態となった。イスラム圏からの入国制限令が差し止められたことに続き、容易と見られたオバマケアの見直しに失敗、オバマケアへの政府支出削減を財源に見込んだ減税案も困難さを増し、難航が予想される。トランプ政権は早くも壁に突き当たった。

英国、EU離脱を通告
 英国のメイ首相は二十九日、欧州連合(EU)に離脱を通知、離脱条件などを決める二年間の交渉が正式に始まる。メイ首相は「真にグローバルな英国をつくる」とする一方、「欧州を去るわけではない」と、EUとの関係継続の意思を示した。英国は期限内に離脱条件や新たな通商協定などの締結をめざさなければならないが、EUは英国を特別扱いしない方針で、合意は不透明。英国がかつて拠出を約束した未払金問題もある。一方、スコットランドと北アイルランドは英国からの分離の動きを強めている。大手金融機関は「脱英国」を開始、「金融センター」である英国の先行き不安は、世界の危機を促進させる可能性がある。

核兵器禁止条約が交渉入り
 国連で二十七日、核兵器の使用を法的に禁じる「核兵器禁止条約」の制定に向けた交渉が始まった。オーストリアやメキシコなどが推進し、昨年十二月に交渉入りが決議された。今夏にも条約案をまとめる考えだが、米国を筆頭とする核保有国は交渉に反対、北大西洋条約機構(NATO)加盟国や日本に交渉に参加しないよう圧力をかけた。準備会合に出席した中国も参加を見送った。唯一の戦争被爆国である日本も参加せず、国際的失望を買った。条約制定の動きは、核による大国支配に対する中小国の反発が強まっていることを示すものだ。


独与党、地方選に勝利
 ドイツ西部ザールラント州で二十六日、州議会選挙が行われ、メルケル首相の与党・キリスト教民主同盟(CDU)が四〇%以上の得票率で圧勝し、九月の国政選挙と、その前哨戦となる地方選に向けて勢いを付けた。連立与党の社会民主党(SPD)は一〇ポイントの差をつけられた。右翼政党の「ドイツのための選択肢」は、得票率六・二%を得て初めて同州議会に進出した。九月の総選挙に向けて勢いを付けたいメルケル政権は緒戦に勝利したものの、欧州は英国のEU「離脱」やギリシャ問題など難題を抱え、支配層は「安心」どころではない。

人民のたたかい

(3月20日〜3月29日)


  韓国ソウルで二十日、世宗ホテル労働組合など十の争議団が全国巡回宣伝に出発した。争議団は「投票を越えて闘争へ」というスローガンを掲げた。
 ミャンマーのヤンゴンで二十一日、労働組合員一千人が政府による最低賃金決定が遅れていることに講義し、最賃の大幅引き上げを求めてデモ行進を行った。
 EU首脳会議が行われたイタリアのローマで二十五日、統合のためのローマ条約締結から六十周年を迎えたことに抗議し、労働組合などがデモ行進を行った。
 米国のロサンゼルスやシカゴで二十三日、医療保険制度(オバマケア)の改悪による患者負担の増額に抗議し、デモ行進を行った。
 米国ニューヨークで二十五日、トランプ大統領が自らに批判的な報道を「偽ニュース」と決めつけ、会見などから排除していることに抗議し、人権擁護団体などがデモを行った。

日本のできごと

(3月20日〜3月29日)

森友学園問題で証人喚問
 学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池理事長の証人喚問が三月二十三日、衆参両院予算委員会で行われた。豊中市の国有地が鑑定価格より大幅に低く売却された経緯については、安倍首相夫人に支援を要請した経過などにふれ、「政治的な関与はあったのだろう」と述べた。首相から学園への寄付についても鮮明な証言を行った。小学校設立に関する府への申請では、「(松井知事や府に)特別な取り計らいを頂いたものだと感謝している」と証言した。安倍首相や夫人の関与や松井知事の疑惑への関与は疑いようがなく、辞職などで責任を取るべきだ。

共謀罪閣議決定、弾圧の武器に
 政府は二十一日、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改悪案を閣議決定した。政府が「組織的犯罪集団」が「準備行為に及んだ」と見なせば組織全体を処罰することが可能になる。恣意(しい)的な運用で国家権力が労働組合や政党など国民を弾圧する強力な武器と成り得る悪法で、成立を許してはならない。

17年度予算、国民負担さらに増加
 二〇一七年度政府予算案が二十七日、参議院本会議で可決、成立した。一般会計で九十七兆四千五百四十七億円と過去最大規模で、五年連続で過去最大を更新した。社会保障費では高齢化による自然増分を大幅に圧縮、労災対策費も七割以上が削減された。一方、三大都市圏環状道路など、多国籍大企業の国際競争力を向上させる大型公共事業が盛り込まれた。防衛費は総額五兆一千二百五十一億円と五年連続の増加、大学などでの兵器関連技術開発の支援に前年度の一八倍もの百十億円を計上。中国けん制外交を支える政府開発援助(ODA)は二年連続で増額された。米国や多国籍大企業の要求に応え、国民に負担を強いるものだ。

大企業の要求に沿った所得税改定
 一七年度の税制改正関連法が二十七日、参議院本会議で可決、成立した。所得税では配偶者控除が来年一月から見直され、満額(三十八万円)の控除が受けられる妻の年収を現在の「百三万円以下」から「百五十万円以下」に引き上げる。労働時間の延長を促す狙いで、小売・流通業や外食産業などからの要望に応えたものだが、実質的増税。また大企業優遇である研究開発減税の拡充やエコカー減税の二年延長など、大企業の要求が色濃く反映した。安倍政権が財界に奉仕する政権であることがあらためて示された。

働き方改革計画、過労死と格差助長
 政府は二十八日、「働き方改革実現会議」で実行計画をまとめた。今秋の臨時国会に関連法案を提出、一九年度からの実現をめざす。時間外労働に罰則付き上限を新設する一方、繁忙期の上限を「月百時間」、休日労働を含めれば「年九百六十時間」など、過労死レベルの労働を認める内容に。「同一労働同一賃金」では、基本給・一時金について企業の判断による「違いに応じた支給」認める内容。安倍首相は「大改革」と自賛するが、格差や労働者使い捨てを促進する改悪だ。

教科書検定、政権の歴史・道徳観反映
 文部科学省は二十四日、一八年度から使う教科書の検定結果を公表した。高校教科書では、集団的自衛権の「武力行使の新三要件」を説明する検定意見が付き、南京事件では「(死亡)人数は未確定」などが追記された。元従軍慰安婦らが戦後補償を求めた訴訟についても「政府はすべての賠償問題は法的に解決しているとの立場」との記述が追加された。教科化に伴い初めて作られた小学校の道徳教科書では、学習指導要領を理由に「パン屋」を「和菓子屋」に差し替える意見が出されるなど、安倍政権の偏狭で誤った歴史・道徳観を反映する検定となった。


石原「豊洲」百条委喚問、逃げに始終
 東京都の築地市場の移転予定地である豊洲新市場をめぐって都議会に設けられた百条委員会で二十日、石原元知事の証人喚問が行われた。石原氏は最終決裁を認めたものの、豊洲移転は「都庁全体の大きな流れ」などと言い張り、都の負担増につながる土壌汚染対策費用の負担区分を定めた東京ガスとの契約書も「記憶にない」と居直った。疑惑解明には程遠い証言で、さらなる追及が必須だ。


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