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労働新聞 2017年3月15日号 トピックス

世界のできごと

(3月1日〜3月9日)

国連安保理、朝鮮制裁を確認
 米韓合同軍事演習が三月一日、始まった。従来、西暦の奇数年は小規模に抑えられてきた上陸演習を拡大、三十万人以上が参加する史上最大規模の演習。初めて、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)システムの使用を想定した演習も含まれる。軍事挑発を受けた朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)は、弾道ミサイル四発を発射することで対抗の意思を示した。朝鮮は、「在日米軍を攻撃」する訓練であるとした。これに対して、国連安全保障理事会は七日、一方的に朝鮮を「強く非難」、緊急会合では、追加制裁を含む新たな行動も検討することを確認した。他方、王毅・中国外相は、米朝双方に「自制」を求めた。だが、米国は「あらゆる選択肢がある」(ヘイリー国連大使)などと、軍事を含む朝鮮への圧迫を強化している。

中国全人代、「安定重視」掲げる
 中国の第十二期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第五回会議が五日、北京で開会した。李克強首相は「政府活動報告」で、二〇一七年の経済成長率目標を「六・五%前後」と一六年目標(六・五〜七%)から引き下げ、企業減税やインフラ投資などで景気を支えつつ、「国有企業の株式会社化」などの構造改革を進めるとした。また、名指しを避けつつ、トランプ米政権の政策を「不確定要素」などとした。安全保障政策では、「海洋強国の建設」を掲げた軍備増強を進める。指導部は今秋の共産党大会を控え、社会の「安定」を最優先とする意思を示したもの。だが、国際環境だけでなく、大都市では不動産バブルの懸念が残るなど、国政のカジ取りはますます難しい。

CIAによるサイバー攻撃を暴露
 告発サイト「ウィキリークス」は七日、米中央情報局(CIA)がスマートフォンやコンピュータ、家電製品向けに一千種類を超えるコンピュータ・ウイルスなどを開発していたことを暴露した。基本ソフト(OS)の脆弱性を悪用し、通話・通信の盗聴や、車の制御システムを乗っ取る技術も手掛けていた。CIAは「使命を果たしているだけ」などと開き直っている。中国やロシアの「サイバー攻撃」をことあるごとに非難し、武力攻撃さえちらつかせる米国だが、「天にツバする」ものであることが暴露された。

OPEC、米シェール増産をけん制
 石油輸出国機構(OPEC)は五〜七日、米国のシェール企業や投資ファンドなどと初の協議を行った。会談後、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は、OPECとロシアなどの減産で、原油市場の需給が「改善している」としつつ、原油価格上昇に便乗して増産する米シェール企業を「(減産効果への)ただ乗り」とけん制した。原油価格を維持し、市場での存在感低下を巻き返す狙い。トランプ米政権が資源開発を重視する姿勢を示すなか、OPECとファンドなどは対話しつつも主導権争いを激化させており、世界経済の波乱要因となっている。

人民のたたかい

(3月1日〜3月9日)


  国際女性デーの八日、世界で女性差別撤廃などを訴える行動が行われた。米国のワシントンでは、労働省前に一千人が集まり、トランプ大統領に抗議し、辞任を求めた。イタリアのローマでは、男女の賃金格差是正などを求めて、数千人がデモ行進した。
 アルゼンチンのブエノスアイレスで七日、労働総同盟(CGT)傘下の労働者数万人が、大幅賃上げを求めてデモ行進を行った。
 韓国のソウルで四日、朴大統領の即時退陣を求める集会が行われた。
 韓国ソウルのサムスン電子前で六日、十年前に職業病で死去した労働者の家族や民主労総が、謝罪と署名受け取りを拒否するサムスンへの抗議行動を行った。同社半導体部門では、十年で三百人以上が死傷している。

日本のできごと

(3月1日〜3月9日)

森友学園疑惑で窮地の安倍政権
 森友学園への国有地売却問題をめぐり、自民党の鴻池元防災担当相は三月一日、同学園の籠池理事長夫妻から土地取得に関し便宜を図るよう要請されたことを公表した。鴻池氏は要請を断ったとした。野党は籠池氏らの国会への参考人招致を求めているが、安倍首相や与党は「(取得価格が適正か)会計検査院の調査結果を待ちたい」「民間人の招致は慎重であるべき」などと逃げ回っている。真相解明を求める国民の声は高まっており、安倍政権は徐々に追い詰められている。

共謀罪法案決定、敵失で先送りへ
 自民党は七日、政調審議会での「共謀罪」法案審査を見送った。政府が法案の目的を「テロ対策強化」としながら法案原案には「テロ」の文言が盛り込まれておらず、「テロ対策は口実」などの批判が強まった。また、森友学園疑惑などへの対応に手足を取られたこともあり、与党内の「慎重審議」を求める声に配慮した結果だ。くろまれていた十日の閣議決定は先送りされたが、日米同盟強化の一環で弾圧強化の道具である同法を廃案に追い込むことが求められている。

日米韓の責任問わぬ朝鮮非難決議
 衆議院は九日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)による弾道ミサイルの発射に抗議する決議を全会一致で採択した。八日には参議院でも同様の決議が全会一致で採択された。共に朝鮮を一方的に批判する内容だが、米韓合同軍事演習など緊張を激化させている米国や安倍政権の責任を問わない決議は反動的なもの。稲田防衛相があらためて「敵基地攻撃能力」保有の検討に言及するなど朝鮮敵視を強めているが、緊張緩和こそが早急に求められる方向だ。

自民党総裁「連続3期9年」可能に
 自民党は五日、第八十四回定期党大会を開き、党則と総裁公選規程を改正、総裁任期を従来の「連続二期六年」から「連続三期九年」に延長することを正式に決めた。これにより、総裁任期が二〇一八年九月に満了する安倍首相は、三選に向け次期総裁選への立候補が可能となった。首相は、党として改憲発議への議論を主導する決意を表明、長期政権への意欲を示した。しかし内外で難問を抱える安倍政権の基盤は弱体化しつつあり、長期政権は「絵に描いた餅」になりそうだ。

水道の広域化・民営化狙う法案決定
 政府は七日、水道法改悪案を閣議決定した。人口減に伴う料金収入の減少や老朽化した水道管の更新などで慢性的な赤字を抱える市町村の水道事業を統合・広域化し、民間委託を促進することが主眼。都道府県に市町村が担う事業の再編計画の策定を求めるほか、事業の民営化を促すため災害時における企業の復旧責任の軽減や料金引き上げ時の手続き簡素化なども盛り込まれた。海外では、広域化と民営化が供給の不安定化や料金大幅値上げにつながった例もある。水道は最も基本的なライフラインで、国や自治体が責任を負うべきである。

天皇ベトナム初訪問、中国にらむ
 天皇、皇后は六日、ベトナム・タイ訪問を終えて帰国した。初の訪問となったベトナムでは国家主席など政府や共産党幹部、また日本への元留学生や戦後現地に残留した元日本兵の妻や子らと面会した。タイでは昨年十月に死去したプミポン前国王を弔問した。安倍政権は、米国のアジア戦略を支えるため、中国との領土紛争を抱えるベトナムなどとの関係強化を進めてきた。今回の天皇訪問は中国をにらんだ皇室外交で、政治利用そのものだ。


日本学術会議、軍事研究禁止を継承
 日本学術会議の安全保障と学術に関する検討委員会は七日、大学などの研究機関での軍事研究に否定的な新声明案を了承した。四月の総会で承認される見通し。防衛省が研究資金を提供する制度を拡大させたことを受けて対応を議論してきたが、軍事研究は学問の自由や学術の健全な発展と緊張関係にあるとして禁止した一九五〇年以来の声明を継承するとした。また研究資金の出所などの慎重な判断が求められるとし、研究機関に審査制度設置や学会などのガイドライン整備も求めた。大学や研究機関の軍事研究への動員をもくろむ安倍政権には打撃だ。


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