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労働新聞 2016年4月25日号 トピックス

世界のできごと

(4月10日〜4月19日)

G7、「核」めぐり欺まん
 広島で開かれていた主要7カ国(G7)外相会合が四月十日、共同声明と「海洋安保に関する声明」「不拡散及び軍縮に関する声明」を発表して終了した。共同声明では、G7が主導した「テロ対策」での連携を強化する方針や、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)への非難などが明記された。原爆による惨禍を「非人間的な苦難」などとする「広島宣言」も発表され、参加外相は原爆資料館を見学した。南シナ海問題を念頭に「一方的行為に強い反対を表明」した「海洋安保に関する声明」に対して、中国は不快感を表明した。核保有国を含むG7は、自らは核を放棄せず、「核廃絶」を中国や朝鮮を非難する政治的道具として使っている。

G20、対策めぐり一致できず
 米ワシントンで行われた二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は十五日、「債務に配慮しつつ機動的に財政出動する」などとする声明を発表して終了した。二月の会合と同じ文言だが、危機対応策で、財政出動を主張する米日と、慎重な欧州諸国の違いがさらに鮮明となった。また、タックスヘイブン(租税回避地)を使った税逃れの防止策として、非協力的な国のリストをつくり制裁措置を検討することとした。各国で高まる「格差」批判に対処を迫られた格好だが、回避地の定義はさまざま。G20は深まる危機に有効な対策を打ち出せないままだ。

韓国総選挙、与党に厳しい審判
 韓国の総選挙(定数三百)が十三日、投開票され、与党・セヌリ党は改選前百四十六議席から百二十二と大敗、単独過半数を割り込んだ。野党の「共に民主党」は百二から百二十三、国民の党は二十から三十八へとそれぞれ前進した。当初、与党は優勢を伝えられていたが、通貨高による景気低迷や若年層の失業増、朝鮮に対する強攻策への批判に加え、公認をめぐる党内紛争が影響した。朴政権の支持率も前回比で一〇ポイントも落ち込み、初めて三割を割り込んだ。二年弱の任期を残した朴政権の基盤は大きく弱まった。

産油国、減産で一致できず
 カタールのドーハで行われていた、低迷する原油価格の安定をめざした、十八の産油国による会合が十七日、終了した。会合は、二月にサウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラが合意した原油の増産凍結措置について協議したが、正式合意できなかった。とくに、増産を継続する姿勢を示すイランが欠席したことを理由に、サウジが合意に難色を示したため。結論は六月の石油輸出国機構(OPEC)総会に持ち越されたが、サウジとイランは国交を断絶するなど歩み寄りが見られない。産油国経済の困難は続き、世界経済の波乱要因であり続ける。

人民のたたかい

(4月10日〜4月19日)


 通信大手ベライゾンで働く、全米通信労組(CWA)の労働者約四万人が十三日、コールセンターの海外移転などに反対してストライキに突入した。
 ドイツ各地で十一日、金属産業労組(IGメタル)傘下の鉄鋼労働者が計四万五千人が、輸入製品のダンピングへの対策を求めてデモ行進を行った。
 スペイン自動販売機協会が十一日、たばこの自動販売機の三分の一にあたる約五万台の電源を落とすストライキに入った。政府が自販機の撤去を検討するとしたことに抗議したもの。
 米国のニューヨークで十四日、ホームレスの支援団体などがデモを行い、共和党トランプ候補に抗議した。
 クウェートで十七日、石油産業労働組合の七千人が、給与と福利厚生の削減に抗議してストライキに入った。
 ベトナムのハイフォン市の台湾系革靴製造会社で十五日、二千人の労働者が生産ノルマの厳しさに抗議してストライキを決行した。

日本のできごと

(4月10日〜4月19日)

熊本地震、被災者に冷淡な安倍政権
 四月十四日から十六日にかけて熊本県を中心に震度七の地震が二度起こるなど、連続した地震で被害が拡大している。救命・被災者救援に全力をあげることは政府の役割だが、緊急対策本部の設置や早期の激甚災害指定に冷淡な姿勢を示し、国会では環太平洋経済連携協定(TPP)審議を優先させた一方で米軍に要請して災害支援にオスプレイを投入、また菅官房長官が「緊急事態条項」創設のための改憲に意欲を示すなど、震災を悪政推進に利用する安倍政権の本性があらわになり被災者の怒りを買った。

TPP審議再開も今国会見送りに
 衆議院のTPP特別委員会は十八日、TPP承認案と関連法案の審議を再開した。「墨塗り」の資料公開や西川委員長の情報漏えい疑惑などで審議がとん挫していた。十日ぶりに再開された審議でも、安倍首相が「農産物の二割で関税撤廃の例外を確保できた。国会決議にかなう」と「聖域確保」を強調したが、森山農水相が重要五品目のすべてで関税引き下げなどの見直しがあったと答弁、無傷のものが存在しないことを認め国会決議との整合性が問われるなど防戦一方に。形式的に審議時間を稼いで強引な承認・成立をもくろんでいた安倍政権だが、月内の衆院通過は困難となり、目算が崩れた。

核廃絶とは無縁なG7「広島宣言」
 広島市で開かれた主要七カ国(G7)外相会合が十一日閉幕した。核保有五大国(米英仏露中)の現職外相が原爆投下後初めて被爆地を訪問、原爆による惨禍を「非人間的な苦難」とする「広島宣言」を採択した。しかし核廃絶の目標時期など具体的な提起はなく、被爆者団体などからは失望の声が相次いだ。米国のオバマ大統領のめざす「核のない世界」は、自国は核大国としての地位を維持しつつ、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)など対立する国や集団への核拡散を許さないとするもので、安倍政権の唱える「核軍縮」も米国の身勝手な核・軍事戦略を支えるものにすぎない。

G20で為替めぐり日米で対立
 米ワシントンで開かれていた二十カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が十五日に閉幕した。焦点となっていたの為替問題では、競争的な切り下げをしないとの総論で一致したものの、円高・株安を脱したい日本側が「過度の円高に必要な対応を取ることはG20の合意内容に沿う」(麻生財務相)と為替介入への余地を残そうとしたことに対し、「日本は為替操作国」との不満が国内に根強い米国は「円高が進んでいるものの市場の動きは秩序的」(ルー財務長官)と円切り下げにクギを刺すなど不協和音を放つ結果となった。円売り介入を息切れするアベノミクスのカンフル剤とする安倍政権の算段は米国に砕かれた格好。

国民経済向上にならない成長戦略案
 政府の産業競争力会議は十九日、成長戦略の骨子案を取りまとめた。安倍政権発足後四度目となる今回の骨子案では、政権が掲げた国民総生産(GDP)六百兆円の達成に向けて分野ごとに数値目標を明記した。AI(人工知能)やロボット、IT(情報技術)で生産管理するスマート工場などの新技術による三十兆円の市場創出や、公共施設の運営・医療など公的分野への民間参入の促進、TPPをテコに海外市場へのインフラシステムの輸出推進などを掲げた。また技術革新を担う人材の育成や確保に向けて、小中学校でのプログラミング教育の必修化や、高度な技術を持った外国人に対する永住権付与の迅速化なども盛り込んだ。財界の意に沿った、国民経済や生活の向上とはかけ離れた内容だ。

南シナ海での海自の活動強める
 海上自衛隊の護衛艦二隻が十二日、南シナ海に臨むベトナム南部のカムラン湾港に寄港した。日本の護衛艦による寄港は初めて。海自はこれに先立ちフィリピンのスービック軍港に練習潜水艦と駆逐艦を派遣、また十七日からはヘリコプター搭載型護衛艦をインドネシアのパダンからボルネオ島西部に至る海空域に派遣し日米豪共同海外巡航訓練に参加するなど、南シナ海における活動を活発化させている。集団的自衛権の行使を可能とする安全保障法の施行以降、米アジア戦略に沿った中国包囲・けん制を強める危険な策動をいっそう強めている。


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