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労働新聞 2016年4月15日号 トピックス

世界のできごと

(3月30日〜4月9日)

核保有国の特権示した「核サミット」
 米・ワシントンで開かれていた「核安全サミット」は四月一日、「核テロ阻止」をうたった共同声明を採択、閉幕した。同サミットは米国や日本、中国など五十三カ国の首脳が参加した。オバマ米大統領は二〇〇九年の「核兵器のない世界」宣言(プラハ演説)に触れたが、米国自身の具体的な核削減については言及せず、朝鮮民主主義人民共和国の「核放棄」を一方的に主張した。「核テロ阻止」を口実に、核が反米国家・勢力に「拡散」することを防ぎ、ほころびが拡大している核独占体制を再構築して支配を維持する狙いを示したものである。

パナマ文書、各国政治揺さぶる
 タックスヘイブン(租税回避地)への法人設立を代行するパナマの法律事務所が四日、金融取引に関する過去四十年分の内部文書が流出したと発表した。流出した内部文書には各国首脳らの名前が明記されており、こうした「資産隠し」に対し、批判が高まっている。アイスランドではグンロイグン首相夫妻が家族資産を隠していたとの疑いが浮上、五日、辞任に追い込まれ、英国のキャメロン首相もタックスヘイブンを利用して相続税を免れていた問題を指摘され、追及の矢面に立たされている。また、ロシアや中国などの首脳の名前も取りざたされている。一方、「国を揺さぶろうという試み」(プーチン・ロシア大統領)と、米国による情報操作も指摘されている。

ミャンマーで新政権発足
 ミャンマーで一日、これまでの軍主導の政権から、先の選挙で勝利した国民民主連盟(NLD)によるティン・チョー新大統領による政権が発足した。アウン・サン・スーチー前党首は外相に就任した。新政権の支持率は高いものの、スー・チー氏による「院政」も指摘されている。欧米、中国などは同国の市場をめぐってつばぜり合いを演じており、経済開発に伴う矛盾の拡大など波乱も予想される。

世界の軍事支出、4年ぶり増
 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は五日、一五年の世界の軍事支出が実質で前年比一・〇%増の総額一兆六千七百六十億ドル(約百八十七兆円)となったと発表した。世界の軍事支出が増えたのは一一年以来四年ぶりで、中東欧やアジア、中東地域で大幅に増加している。支出額の最大は米国で五千九百六十億ドルで、中国、サウジアラビア、ロシアと続く。危機のなか、各国支配層は動乱への備えを強めている。。

人民のたたかい

(3月30日〜4月9日)


 英国全土で四月六、七日の両日、政府による医療制度改悪に抗議する研修医による四十八時間ストライキが行われた。今回のストは四回目で、研修医ら数千人がストと併せてデモを行い、「公的医療を守れ」と訴えた。
 フランス全土で三月三十一日、解雇規制緩和などの労働法改悪に抗議するデモやストが行われ、約百二十万人が参加した。この全国行動は三度目で、パリのデモには十六万人が参加、「私たちは奴隷じゃない」と訴えた。
 米国イリノイ州で四月一日、教職員組合がストライキを行った。組合員は、知事と議会の対立で予算が執行されないことを理由に、賃上げも行われていないことに抗議している。
 インドネシアのジャカルタでで四月六日、スシ海洋・水産相が打ち出したトロール漁法(底引き網)の全面禁止などの政策を緩和・撤回することを求め、水産業者の三十四団体でつくるインドネシア水産共同体国民運動が数千人のデモを行った。
 アルゼンチンのブエノスアイレスで七日、「パナマ文書」によって、マクリ大統領が資産隠しを行っていた疑惑が浮上したことに抗議し、辞任を求めるデモが行われた。

日本のできごと

(3月30日〜4月9日)

TPP審議開始、非開示で国民愚弄
 環太平洋連携協定(TPP)の承認と関連法案を審議する衆議院TPP特別委員会の質疑が四月七日、始まった。政府は「論点整理文書」を提出したが、日付と表題以外は黒塗りされているもの。安倍首相は、野党の開示要求を「交渉は結果がすべて」と突っぱねたが、西川委員長(前農水相)が出版予定の著作で内容に触れている可能性も浮上、矛盾が指摘された。また、交渉責任のある甘利前担当相は審議に参加しないありさまで、政府には説明する意思さえない。安倍政権は交渉過程をひた隠しにし、国民犠牲の正体をゴマかそうとしている。

特定秘密で報告書、監視は有名無実
 衆参両議院の情報監視審査会は三月三十日、特定秘密保護法の運用状況に関する二〇一五年の年次報告書を提出した。同法に基づく通年の報告書は初めて。一四年に十機関が指定した三百八十二件の特定秘密中、審査会が開示を受けたのは衆参でのべ六件のみで、他は政府が「秘匿性」を口実に開示を拒んだ。他方、審査会は「情報不足」を理由に、秘密指定の適否判断を見送った。当初の予想通り、審査会の有名無実ぶりが明白になった。

GPIF大幅赤字で年金にしわ寄せ
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は三月三十一日、運用実績の公表日を例年より三週間近く遅い「七月二十九日」と発表した。GPIFは安倍政権の方針を受けた株価対策で株式への投資割合を増やしたが、株価下落で、一五年度は十二月までで五千百八億円もの赤字を計上した。年度通期では六兆円近くの評価損が出ていると見られる。公表の後ずれは、参議院選挙への影響を恐れる安倍政権の意を受けたものと思われる。年金給付額の削減などで国民にしわ寄せされる可能性が大きく、政府の責任は重大だ。

休・廃業増加で地方の疲弊際立つ
 帝国データバンクは四月四日までに、一五年の全国の企業休廃業・解散状況をまとめた。休・廃業件数は二万三千九百十四件で、倒産の約三倍。都道府県別では、企業数に対する休・廃業比率が高いのは、愛媛県(二・六%)、宮崎県(二・四%)などで、東京都(一・二%)の約二倍。新潟県、宮崎県、愛媛県では、休・廃業件数が倒産の十倍を超えた。業種別では、建設業が七千六百四十件で最多。地方経済の疲弊を示しており、安倍政権の掲げる「地方創生」の事態はこれだ。

年金保険料など滞納増、苦境深まる
 政府は五日、年金保険料など諸税金の「回収不能」額が年一・三兆〜一・四兆円に達すると発表した。うち六割は国民年金保険料。一方、日本学生支援機構によれば、奨学金返済を三カ月以上滞納する者は約十七万人、八百九十八億円に達する。背景は国民の貧困化で、「払う余裕がない」のが実態だ。政府は、マイナンバー制度を使った徴収強化策や一部返済不要の給付型奨学金案を打ち出しているが、国民のふところを豊かにすることが必要だ。

4月からの負担増や値上げ続々
 社会保障制度改悪などにより、国民負担が一日からさらに増加した。国民年金保険料が六百七十円上がって月一万六千二百六十円となったほか、介護保険料は百七十五円上がり五千三百五十二円、入院時の食事代は百円上がり三百六十円、大病院受診の際に紹介状がなければ五千円の追加料金を課されるなど、国民負担がさらに増える。食卓塩が百グラムあたり二十五円、二十四年ぶりに値上げされるなど、生活必需品の上昇も続く。安倍政権による国民生活破壊には際限がない。


JCM、格差は依然埋まらず
 金属労協(JCM)は四日、一六春闘でのベースアップ(ベア)で、中小企業が初めて大手企業を上回ったと発表した。組合員三百人未満の労組で一千二百八十一円、三百〜一千人未満で一千百二十八円、一千人以上で一千百二十二円と、規模の小さい労組がわずかだが多かった。中小労組の一定の奮闘は事実だが、「人手不足」や安倍政権・一部大企業による「賃上げ要請」も影響した。大企業と中小の賃金格差は依然大きい。「新しい春闘の枠組みが始まった」(相原議長)などという自賛や、連合中央の掲げた「大手追随からの脱却」は実質がない。


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