20020515

会社が大企業の子会社に
今年も昇級はゼロ

なめるなよ! ガマンも限界

パート労働者 伊藤 増美

 

 私が勤めている会社は昨年10月、ある大手企業の完全子会社になった。経営が行き詰まったためである。取引銀行から数千万円の融資を受けられなかったことが、子会社化を早めたのである。以前ならば現行担保のまま融資を受けられたが、新たな担保の提供を迫られたのである。いわゆる貸し渋りにあったのだ。倒産か子会社になるかの選択しか道はない。
 子会社といっても、親会社に多額の借金をするということである。取引銀行すべての借金を返済するために、親会社に億単位の融資を受けたのである。年間利息だけで数百万円を返済している状態だ。とりあえずの倒産は避けられたものの、今まで以上に仕事は忙しくなり、管理は厳しくなっている。
 借金返済のために、売り上げは常に黒字でなければならないという。冗談じゃない。そのために昨年のボーナスは全員数%カット。昇給などもちろんあるわけがない。ここ数年「諸般の事情により」行われていない昇給であるが、今年は子会社になったことで期待したこともあったのだが、あっけなく終わったのである。
 能力のない取締役連中は、口を開けばコスト削減、人件費をいかに下げるかという話しかしない。びっくりしたことに、前社長(現取締役専務)は、新入社員の試用期間中は社会保険を納めなくてもよいのではないかとまで言い出す始末。それは法律違反だと言い返そうものなら、それを考えるのがお前の任務だといわんばかりに怒り出す。
 「そんなことよりも、役員自ら営業活動をして仕事をもらって来い」。まわりではそんな声が噴出している。労働組合もない職場で、従業員の代表に協定書に印鑑だけ押させるような会社であるが、このところの生活を脅かすような攻撃に、社員はガマンできなくなっていることは、確かである。

怒りのエネルギーが蓄積
 このところ仕事量が増えたため、体はとてもきつい。会社は社員を募集することになった。するとどうだろう。当社では今までなかったことだが、通勤時間1時間半もかけてやって来る人、当社では必要のないほどの高学歴の人、仕事内容がまったく異なる業種の人などが次々にやって来る。こんなに安くて、希望のないようなところにと思うのだが。
 不況もここまで来ると、「仕事のミスマッチ」などと言っていられなくなるのか。とにかくさしあたって、食べていかねばならない。
 後ろの席の彼が言う。今はまだガマンできる。でもいつ切れるかは分かんないね。 会社に対してだけではなく、世の中のありようが、いつわき出てくるか分からないエネルギーをつくり出しているように思う。
 私がこの職場にパートで勤め始めてから5年目。増える仕事量を、昇給なしの賃金でこなしている。通勤費込みの賃金に、「非課税分の通勤費を」と要求しているのだが、いっこうに変わらない。社会保険料を何とかしてごまかしたいと考えるような無能な経営者どもの中では、しょせん無理なことなのか。
 なめるなよ! ガマンにも限度がある。グローバル化だ、なんだかだと社会をあげてのリストラの中で、切り捨てられていくなんて、なぜガマンしなければならないのか。昇給ゼロの中で、少しずつ不満が言葉になってきている。